中期計画に基づいて、当期の1年間のより詳細な月別の計画を策定します。

1 月別の計画を作成する理由は?

年単位の中期計画では年度が終了しないことには、計画と実績を比較することができませんが、それでは1年の間、実績と計画がどの程度ずれているのか、そのずれを取り戻すためにはどうすればよいのかが分からなくなってしまいます。そのため、1年目についてはより詳細な月別の計画を作成し、毎月、計画と実績を比較することにより、原因究明と目標を達成するための軌道修正を容易に行えるようにします。

2 具体的な作成手順

ボトムアップ方式により当期計画を策定する場合の手順は下記のとおりです。

  1. 部署別に目標と計画を立案する。
  2. 各部署の目標を集計して全社の「月別数値計画」「月別行動計画」を確定する。
  3. 「個人目標」を確定する。

具体的には、

部署別の目標と計画を立案する

会社の中期目標・中期計画が明確化できれば、次は経営会議を開催し、各部署の責任者に対し「中期目標」と「中期計画」の説明を行います。

それを受けて各部署の責任者は、戦術を練りながら、当期の部署目標、行動計画、数値計画を組み立てます。

その際、以下の点を明確にすることが重要なポイントとなります。

・ どのような目標を達成しようとしているのかを「行動目標」と「数値目標」とに分けて考えます。

・ その目標を達成するための具体的なアクションプラン(行動計画)を月別に作成します。

・ 売上高の見込額、行動計画を実行するために必要な経費や資金などを計算し、月別の数値計画として作成します。

全社の「月別数値計画」「月別行動計画」を確定する

社長と経営幹部、各部署の責任者が一同に会し、各部署から上がった数値計画を集計し、トップと現場とのすり合わせ、単年度計画と中期計画とのすり合わせを行います。この作業は両社がお互いに納得がいくまで何度も行う必要があります。その結果、全社と部署別の単年度数値計画、単年度行動計画が完成します。

「個人目標」を確定する

計画書作成の最終段階は「個人目標」の設定です。全社・各部署の目標を踏まえ、かつ、自分自身の自己実現・将来への目標を含めて作成します。
注意点は「個人目標の最終的な決定は、必ず上司の承認を得る」ということです。なぜなら、

・ 会社目標と個人目標とのベクトルを合わせるため

・ 本人の能力アップに繋がる目標を与えるため

だからです。特に、「2つ目」は重要です。例えば、能力100の人に100以下の目標を与えることは、その社員を後退させます。潜在能力を引き出す目標設定をさせるため「目標面接」等を通し、上司がアドバイスをする必要があります。個人目標の達成状況は、モチベーション継続のため、3か月ごとまたは半年ごとに面接を行なうことも重要です。

経営計画を発表する

このように策定した経営計画を全社員に対して発表します。発表する目的は、「全社員とともに方向性を確認する」ことです。もう一つ重要な視点は「経営者・経営幹部の責任を明確にすること」です。「人・物・金」を動かす事ができ、「意思決定権」の全ての権限を握っている経営者・経営幹部は結果に対してほぼ100%の責任を負います。全社員が共通の目的に向かって努力することと、経営者の目標達成に対する責任の自覚、これこそが目標達成のための重要な鍵となります。
発表会は経営者にとっては勇気のいる行動である反面、目標達成には欠かすことのできない経営者の重要な仕事の一つでもあります。